私は27歳のとき、日系金融大手から外資メーカーに転職して、年収が500万円から800万円になりました。外資で働いた経験はゼロ。メーカー業界の経験もゼロ。英語はTOEIC800点で、流暢に話せるわけでもありませんでした。いわゆる「未経験だらけ」の状態です。
それでも、外資系企業から内定をもらえました。
転職活動を始める前の私は、「外資なんて優秀な人が行くところで、自分には縁がない」と本気で思い込んでいたんです。でも、その思い込みは完全に間違いでした。「未経験だから無理」は、ほとんどの場合、戦い方を知らないだけです。
この記事では、外資も業界も未経験だった私が、何を考え、どう動いて、未経験という不安を「通過する戦略」に変えたのかを、体験談ベースで全部書きます。転職活動全体の流れは私の転職体験談まとめにまとめているので、先に読んでもらうと背景がわかりやすいと思います。
そもそも「未経験」の何が怖いのか
外資転職を「未経験で目指す」と考えたとき、私が感じていた不安は、整理すると3つに分かれていました。同じ不安を抱えている人は多いと思うので、まずここを言語化しておきます。
- 外資で働いたことがない不安:成果主義、クビ、英語だらけの会議……ネットの断片的な情報で、外資をやたら怖いものだと思い込んでいた
- 業界が違う不安:私は金融出身でメーカーは未経験。「業界知識がないと門前払いされるのでは」と思っていた
- 英語の不安:TOEIC800はあっても、会議をペラペラ仕切れるレベルではない。「英語面接で詰む」と本気で怯えていた
この3つ、よく見ると全部「自分にはまだ無いもの」を数えている状態なんですよね。無いものを数え始めると、転職活動は一歩も進みません。私が前に進めたのは、ある一点に気づいてからでした。
結論:外資はジョブ型。「経験の有無」より「ポジションで価値を出せるか」
先に結論を言います。外資の採用は「ジョブ型」です。ここが日系企業と決定的に違いました。
日系企業の多くは「メンバーシップ型」です。新卒で会社に入って、いろんな部署を回りながら、業界や会社組織についての知見を何年もかけて育っていきます。だから採用でも「これまでどんな経験を積んできたか」「何年目か」が重く見られます。
一方で外資は、先に「この椅子(ポジション)が空いていて、この仕事をやってほしい」という枠が決まっています。そこに対して「私はこの椅子に座ったら、こういう価値を出せます」と示せる人を採る。過去に同じ業界・同じ会社の経験があるかどうかより、その椅子で価値を出せそうかどうかが評価軸なんです。
これに気づいた瞬間、見える景色が変わりました。業界未経験でも、外資未経験でも、「このポジションで自分が出せる価値」を具体的に示せれば、土俵には乗れる。逆に言えば、未経験者がやるべきことは「経験の不足を謝ること」ではなく、「自分の経験を、応募ポジションの価値に翻訳すること」だったんです。
なお、検討開始から内定まで私はちょうど3ヶ月でした。動き出しの時系列は外資転職の進め方を時系列で解説した記事に分けて書いています。
「集計するだけ」を市場価値に翻訳した3ステップ
では、具体的にどう翻訳したのか。私がやったのは、次の3ステップでした。
① 業務を「作業」ではなく「一連の流れ」で語る
最初、私は自分の仕事を「社内システムから数字を抽出して、Excelで集計して、上司に報告する仕事です」と説明していました。事実です。でも、これだと「データを集計する作業の人」にしか聞こえません。
そこで、同じ仕事を「課題発見 → 可視化 → 打ち手の提案 → 部署を巻き込む」という一連の流れで語り直しました。たとえば前職で、ある事業部の売上が急に伸びたのに誰も理由を説明できない、という出来事がありました。私はそれを放置せず、現場ヒアリングから「訪日外国人が増えているのでは」という仮説を立て、出入国在留管理庁が公開している訪日外国人数の統計を取ってきて、社内の売上データと並べてダッシュボード化しました。すると、きれいに相関が出たんです。
その相関をもとに「外国人向けのキャンペーンを今打つべきだ」と提案し、嫌がるマーケ部や営業部を巻き込んで実行まで持っていきました。同じ「数字を扱う仕事」でも、こう語ると一気に意味が変わります。「集計する人」ではなく「数字を根拠に意思決定を動かした人」になる。これが市場価値への翻訳でした。
どの会社でも、業績が悪い理由を調べ、対応策を打つという流れは行います。私の場合は、こういったポジションの応募があったからこそ、未経験でも外資に飛び込むことができました。
② 「言語が英語に変わるだけ」だと気づく
外資の仕事は特別なことをやっていると思っていましたが、実際に転職してわかったのは、やっている仕事は前職と完全に同じだということでした。数字を集計して、上振れ・下振れの要因を確認して、打ち手を考える。当たり前の流れです。違うのは、それを話す言語が日本語から英語に変わっただけ。
「外資は難しい」というのは、ほとんど思い込みです。少なくとも私がやっている仕事に関しては、業務の中身は日系時代と地続きでした。この前提で考えると、未経験というハードルはぐっと低く見えてきます。
③ 同じ職務経歴書を複数エージェントに見せて磨く
翻訳した経験を、どう書類に落とすか。ここで私が使ったのが「担当者ガチャ理論」です。転職エージェントの担当者には当たり外れがあります。最初に登録した大手では、私がドラフトで書いた職務経歴書を「いいですね、これで行きましょう」と、ほぼノーチェックで進められそうになりました。これでは未経験の私が通るはずがない。
そこで複数のエージェントに登録し、まったく同じ職務経歴書を見せて、各社からのフィードバックを比較しました。各社2回ずつ、合計8〜10回ほど改訂を回したと思います。指摘の納得感が高い会社、面接対策の質が高い会社が、比べると一目でわかります。
このとき磨いた職務経歴書の実例は800万オファーをもらった職務経歴書の記事に、志望動機の作り方は外資で評価された志望動機の記事に詳しく書いています。未経験を突破する書類の作り込みは、この2本を合わせて読んでもらうのが一番早いです。
次のステップ
「外資、本気で受けてみるか」と思ったら
JAC Recruitmentは、ミドル・ハイクラス向けの高年収層に特化した転職エージェント。
5社のエージェントを使った私の経験上、一番のおすすめです。
未経験者が外資面接で評価された「伝え方」
書類が通っても、面接で「未経験です」がにじむと一気に弱くなります。
日系企業では、業務を簡潔・明確に説明するのが美徳です。でも外資面接でそれをやると「で、あなたは何ができる人なの?」が伝わりません。必要なのは、「何を課題だと考え、どういうアプローチで解決し、何が動いたか」をストーリーとして語ることでした。先ほどの訪日外国人の相関分析の話も、面接ではこの順番で語りました。
もうひとつ、地味だけど大事な注意点を。1次面接(人事との面接)で年収を盛らないことです。内定後に給与明細の提出を求められるので、盛るとあとで必ずバレます。私は残業代を除いた年収を確認されたのに、残業代を含んだ年収を言ってしまったため、後日指摘されてしまいました。
面接で実際に聞かれた内容は外資の面接で聞かれた質問の記事に、英語面接で私が話した自己紹介は英語面接の自己紹介と対策の記事にまとめています。英語そのものへの不安はTOEIC800で外資に転職できた話を読んでもらえれば、だいぶ和らぐはずです。
未経験から外資を目指す人へ・3つのポイント
同じように「未経験だから無理かも」と思っている人へ、私の体験から言えることを3つにまとめます。
- 外資はジョブ型。経験の有無より「その椅子で価値を出せるか」。無いものを数えるより、出せる価値を翻訳する
- 自分の仕事を、その椅子に座るのに相応しいストーリーで語り直す。「集計する作業」ではなく「課題発見→可視化→提案→巻き込み」として語れば、市場価値は伝わる
- エージェントを使い倒す
私は外資も業界も未経験でも、内定をもらえました。特別な経歴があったわけではありません。やったのは、自分の経験を正しく翻訳して、勝てる枠で価値を示しただけです。未経験でも、戦い方さえ間違えなければ、まったく不利ではありませんでした。
まとめ:未経験を突破する一番の近道はプロを使い倒すこと
未経験から外資を狙うなら、経験の翻訳と「勝てる枠選び」をどれだけ精度高くできるかが勝負です。そして、これを自分ひとりでやるのは正直しんどい。私が外資系企業から内定を貰えた一番の理由は、複数の転職エージェントを使い倒して、職務経歴書のフィードバックを比較しながら磨き込んだことでした。登録も相談も書類添削も、すべて無料です。使わない手はありません。
次のステップ
「外資、本気で受けてみるか」と思ったら
JAC Recruitmentは、ミドル・ハイクラス向けの高年収層に特化した転職エージェント。
5社のエージェントを使った私の経験上、一番のおすすめです。
エージェントの具体的な選び方と私の使い分けは外資転職におすすめのエージェントの記事に、私の転職活動の全体像は転職体験談まとめに書いています。あわせて読んでみてください。
